• [未知なもの]No.19 旅1
  • いつもの駅で、
    私は降りることができなかった。
    ほかに行くあてがあるわけではない。
    ただ、降りることができなかったのだ。
    「アザミの花とつきぬける大空」。
    (もういっぺん、いってみろ…)
    私たちには神話が、
    物語が必要なのだ。
    良質の虚構が。
    現実の背後に無限にひろがる、想像力の海へ、僕らはなぜ向かおうとしないのか?
    (もういっぺん、いってみろ…)
    終点で降りる。
    そこで待っているものはなにもない。

  •  
前の記事:N0.18 無題
次の記事:No.20 少女と平野